幸せなキスをして終了 Ver.2

ダイアリーからブログに引っ越したつもり アニゲと音楽のこととか

【アニメ】電脳コイルを観た感想

「コイツは観終わった後に長文感想を書きそう」と言われたので書きます。

多分長文にはならないと思います。

(まあまあ長くなってしまいました。)

 

◼️電脳コイルとは

 

アニメ「電脳コイル」は2007年にNHK系列で放送されたTVアニメです。

制作会社はマッドハウス虫プロ系列から、かの出崎統らが中心になって分化した老舗スタジオですね。

マッドハウスといえば老害入りかけの中堅オタクには「CCさくら」とか「ギャラクシーエンジェル*1とかでしょうか。

近年だと「宇宙よりも遠い場所」「若おかみは小学生!」などで傑作を届けてくれていますね。

その反面、定期的に「蒼天航路」「魔法戦争」「中間管理職トネガワ」など絶妙にコメントしにくいネタ作品を投下してくるスタジオって感じです。

今回の「電脳コイル」も発表以来大変評価の高い作品として、多くの方に親しまれていますね。

 

観よう観ようと前々から思っていて、結局10年以上経ってしまったな…というのがまず第一の感想。

(当時から見た)近未来を描いた作品というのは、10年くらい経つと実際とは技術的に進歩方向がズレていたりして陳腐に見えたりという事も多いですが、

電脳メガネというガジェットを用いた拡張現実(AR)を絡めての世界観設定は

19年の今観ても充分に説得力のある地続きの未来って感じがしましたね。

 

◼️作画がキレキレで見応えアリ

 

監督・脚本はアニメーターとして高名な磯光雄さん。

「ポケ戦」の戦闘シーンとか「逆シャア」の作監とか「エヴァ旧劇」弐号機の活躍シーンとか、

多くの名シーン、名カットを手掛けているレジェンド中のレジェンドの一人です。

 

それを受けてか、参加アニメーターも凄腕揃いのオールスター状態。

特にOP、各話通して「走り」の作画がどれも素晴らしいクオリティ。

単純に上手い、動く、カッコいいというのもそうなんですが、

どの「走り」もキャラクターの心情や性格が伝わってくる芝居の細かさが良いですね。

あとどのキャラも異常なまでに足や腕、背中がキレイ&こだわって描かれていて

「あっコレはロリコン&ショタコンに全振りな作品ですわ」と

1カット1カットからビリビリと伝わってきます。*2

 

◼️少年少女の痛みと成長を描く

 

ストーリーは「昔からの古い街並み」と「メガネによる電脳空間」が交錯して産まれた、「新時代の都市伝説・子ども達の怪談話」と

メインキャラとなる2人の少女が持つ「隠された過去」が不思議な所で交差して産まれるドラマ、が主軸になっています。

前述している作り込まれた世界観&技術設定の開示と、メインストーリー展開が上手に絡めてあるので

序盤から違和感無く設定の理解が進み、とても観やすい作品でした。

 

終盤はかなり複雑になる展開と背景の伏線回収をほとんどおばあちゃんのモノローグでしてしまっていたので、

もう少し話数や尺があったら自然な展開になったかもしれないなぁ、とは思いました。

 

でも後半のクレジットは作監・二原がてんこ盛りになってましたし、

結構逼迫した制作状況だった臭いので、

これ以上長かったら万策尽きて酷いことになってたかもしれませんね。*3

個人的には後半から「アイカツ!」キャラデのやぐちひろこさんが参加していて「おお!」となりました。

 

テーマとしては

痛みと喪失を知り、それを乗り越えること。

互いに嫌な所を認め合った先に、本当の友人関係があること。

それらを知って子どもから大人に変わる瞬間を描く。

みたいな感じでしょうか。(小学生並の理解度)

 

前述のようにとにかくキャラクターの芝居(アニメーション)が良いので、

展開・セリフからくる感情がストレートに観てる側に落ちて来て

非常に良い視聴体験になりました。

ラストも「号泣〜!」とまでは行きませんがホロホロと泣けてくる感じ。

あ、犬派の人は多分ラスト3話は画面が観えなくなるレベルにヒットするかも。

 

◼️ここすきポイント

 

個人的に気に入ったキャラクターは、ベタですが主人公のヤサコ。

第1話〜3話くらいまでかなり猫かぶってる大人しいキャラぽかったのに、

フミエちゃんやクラスに慣れてくると素が出てきて天真爛漫な感じが出て来て好印象でした。

やっぱり京子ちゃんの姉なんやなコイツって(回想で「ウンチ〜」言ってて大草原)。

走り方もすき。

 

いじらしい恋心を見せるシーンが度々出て来るのも良いですね。

あの去り際の告白は反則でしょう。

最後の最後で百合っぽく絆を作るけど、あくまでもノンケで男のコと素直に恋愛して行きそうな所もとても良い。

我、こういうのすき*4

 

あと、1話のフミエちゃんが角から走って出て来て急停止するカットがめっちゃ好き。

みえそうでみえないプリーツスカートが変態的。

「うわっ!80年代ロリコンアニメの系譜だ!!!」と確信した瞬間でした。

 

pixivでザッと検索したらイサコとフミエが人気ツートップぽくて膝を打つなどしました。 

「あ〜わかる〜ロリコンならフミエちゃんだよなァ〜」とキモ笑顔になりました。

 

 

 

◼️おわりに

 

Amazonプライムビデオに追加されたのを知り、

ここで観ずにいつ観るのだ!?となって

「えいやっと」一気に観てみましたが、やはり大正解でした。

ストーリー的にも作画的にも大々満足です!!

TwitterTLで言及して下さる方がいましたが「百合とSFの完全なる融合」と言える傑作でした。

 

昨年には磯光雄監督作品、超久々の新作も制作発表されましたので

今後も活躍・情報が楽しみですね。

 

地球外少年少女

http://www.signal-md.co.jp/works/chikyugaisyonensyojyo/

 

これで絵に描いたようなネ○ウヨでなきゃ最高のアニメータ&監督なんだけどなぁ…本人のTwitterを見てはいけない(戒め)

*1:個人的にはCLAMP作品とやたら結び付いてるイメージ。X、さくら、こばと諸々。あと今敏作品

*2:「萌えに振り過ぎてる作画は嫌だから電脳コイルくらいで丁度いい」とか書かれてる風聞があるが、どう考えてもコッチの方が「ロリコン」にピンズドな気がする

*3:調べたら本放送時はマジで中断&特別総集編の放送があったようで

*4:だから「響け!」の黄前久美子高坂麗奈も好きなのである