幸せなキスをして終了 Ver.2

ダイアリーからブログに引っ越したつもり アニゲと音楽のこととか

リズと青い鳥・鑑賞ガイド

4/22より全国で封切となったアニメーション映画【リズと青い鳥】。

liz-bluebird.com

 

僕も運よく公開日に観ることが出来たのですが、

余りの破壊力により深刻な語彙力の減退が引き起こされて

下記のようなエントリを投稿するに至ったわけであります。

osyamannbe.hateblo.jp

感想というよりはただの感情殴り書きメモなんですがそれは

-----

さて、22日夜からブログとTwitter

リズと青い鳥はヤバい、お前らも観ろ。観て。観てください。」

という話ばかり書いていたところ、

「ならいっそ【リズ観るならこれ観とけ・読んどけ】なガイドを書いてみては?」

というアドバイスをいただきましたので、

思いつくままに書いてみようと思います。

(A2さんありがとうございます)

-----

本作「リズと青い鳥」(以下【リズ】と表記)の表面的な宣伝としては

「ユーフォシリーズを原作としてはいるけれど、スピンオフの一つですよ~」

という感じでしょうか。少なくとも

「ユーフォシリーズの続編」というよりは

聲の形スタッフの最新作」としてアピールしているのだろうな、と思われます。

(実際Twitterなんかでは「えっリズって映画、ユーフォの続編なん!?」

 みたいなインターネットキッズの反応がちらほらあった)

 

鑑賞した僕の感覚としては、

「一応独立した作品として成立してはいる。

 しかしファンムービーとしての側面もあるので、

 関連作品を拾っておくとなお良い」

という感じでした。

主役ふたりのドラマは劇中の描写で充分に堪能できますが、

彼女たちをとりまく他の人間との絡みについて知っておくと、

より深く感じ入るものが増える(要はエモい)のは事実です。

 

■コンセプト

二つの案を考えました。

  1. サクッと【リズ】本編に関わる重要な部分だけ知っておきたい
  2. 【リズ】本編に登場する各人物の伏線を詳しく把握し、より濃厚に楽しみたい

という観点で関連作品ガイドをまとめてみます。

 

◼️関連作品まとめ

【リズ】は原作:武田綾乃による小説シリーズ

「響け!」シリーズのアニメ化作品であり、

原作小説をアニメ化したTVアニメーションのスピンオフ作品でもあります。

 

原作シリーズは現在までに

長篇が4作 (1,2,3,第二楽章 上下巻)

別の高校を描いた外伝が1作 (立華高校編 上下巻)

番外編となる短篇集が3作 (ヒミツの話,吹奏楽日誌,ホントの話)

と多数が出版されています。

 

アニメ作品としては、TVアニメーションとして放映された

「響け! ユーフォニアム」(全13話)

「響け! ユーフォニアム2」(全13話)

が存在し、

編集・再構成された劇場版として

「劇場版 響け! ユーフォニアム 〜北宇治高校吹奏楽部へようこそ〜」

「劇場版 響け! ユーフォニアム2 〜届けたいメロディ〜」

が既に制作されています。

改めて見ると【リズ】はユーフォシリーズでは

【初の完全新作劇場アニメーション】なわけですな。

 

ちなみに、原作書籍の挿絵をなさっているアサダニッキさんが、

ご自身のTwitterにてわかりやすく

「どの原作小説がどのアニメとリンクしているか」

をまとめてくださっています。

そちらをご覧いただくのも良いと思います。

 

 

【リズ】本編の原作となっているのはシリーズの中の長篇では最新作となります。

 

過去に出版された原作にも【リズ】の主役ふたりを

取り上げたエピソードはいくつかあり、

原作小説二巻においてはふたりの動向が物語の重要なファクターとして

描かれています。

 

ややこしいのは原作・TVアニメ・劇場アニメそれぞれで

主題として打ち出されている部分に差異が激しいところでしょうか。

 

◼️やめておいた方が良いルート

「劇場版の新作なんやし、

 古い劇場版2つとも観とけばまぁええやろ〜」

というのはやめておきましょう。

理由は、劇場版1,2には【リズ】主役のふたりが

絡んでくるシーンが非常に少ないためです。

特に劇場版2に関しては、元々のシリーズ主役である黄前久美子と、

その先輩・田中あすかのストーリーを中心に取り上げているため、

本来TVアニメ二期で映像化されていた

【リズ】関連キャラのエピソードはほぼ全てがオミットされています。

しかし、劇場版1に関しては【リズ】物語の舞台となる

「北宇治高校吹奏楽部」に関して

ある程度バランス良く編集されている作品といえるため、

世界観や背景ストーリーを掴むのに観るのには向いていると思います。

 

では、実際に二つの案を紹介していきましょう。

 

◼️1.「サクッと」作品背景を確認したい場合

 

  • 「劇場版1」を観る
  • TVアニメ「ユーフォ2」第1話〜第5話までを観る
  • 【リズ】本編の上映を観に行く

 

【リズ】は原作で言うとパート4にあたる部分の映画になりますが、

主役ふたりの物語は原作パート2から取りあげられることになります。

原作パート2はTVアニメ二期「ユーフォ2」

で映像化されており、話数でいうと

ユーフォ2・第1話〜第5話までが【リズ】のメインキャラ

鎧塚みぞれと傘木希美(&吉川優子と中川夏紀)が

関わるエピソードとなっています。

ユーフォ2・第6話以降は【リズ】に関わるキャラクターが

大きく取り上げられることは減ってしまうため、

【リズ】についてだけ言えば

観ておくべき部分はとても少ない、とも言えるでしょう。

 

また、劇場版1に関しては前述の通り

世界観や周りのキャラクター像をざっくり掴むのには

向いていると思いますので、鑑賞しておくのはオススメです。

特に【リズ】でも重要な役割を果たす吉川優子と中川夏紀が

どういうキャラクターなのかを知っておくことは、

【リズ】の物語を読みとる際の味わいを間違いなく深めてくれると思います。

 

劇場版1の本編が103分。

TVアニメ二期の1〜5話で約150分。*1

事前準備として長いと思うか短いと思うかは、皆さんのご判断にお任せします。

ただ、なるべく短く【リズ】に至るまでの雰囲気を掴んでおくのなら、

できれば観てもらいたい部分でもあります。

 

◼️2.「がっつり」伏線まで読み込みたい場合

 

  • TVアニメ一期を通して観る
  • TVアニメ二期を1話〜5話まで観る
  • 原作「響け! ユーフォニアム2 北宇治高校吹奏楽部のいちばん暑い夏」を読む
  • 「劇場版 響け! ユーフォニアム2 〜届けたいメロディ」を観る
  • 原作「響け! ユーフォニアム 波乱の第二楽章」上・下巻を読む
  • 【リズ】本編の上映を観に行く

 

こちらのパターンは

「ユーフォシリーズ初見の方を全力でユーフォ沼に引き込む用」

の手順となっています。

つまり、ネットの闇にはびこるユーフォヤクザの武器とも言えるリストです。

(僕が勝手にリストアップしただけですが)

 

ひとつ目のパターンで色々書いといて難なんですが、

本腰入れてユーフォシリーズを楽しんでいくのであれば

劇場版ユーフォ1は観ておく必要はあまりありません。

というのも、アニメ一期13話分をかなり端折って

103分にまとめているため、展開がかなり駆け足になってしまい、

【リズ】にも多く登場する中川夏紀のエピソードが

かなり削られているということや、

元々の主人公・黄前久美子に関わる物語としても

色々と観るべきところが減ってしまっていること、

台詞の再録などがあり、TVアニメ放映時に評価の高かった部分でいくつか

純粋に作品としての価値を落としてしまっているのでは?と

感じる部分がいくつかあるためです。

 

【リズ】の主役である鎧塚みぞれのTVアニメで始めての台詞は

劇場版1での追加シーンで観ることができるので、

本来であれば観ておくべきところになる筈だったのですが、

ユーフォシリーズの魅力を知る上で余りにも

カットされている部分が多過ぎるため、

個人的考えとしては

「劇場版1観るくらいなら一期を通しで観ろ!」

と全人類に言いたいという心境です。

(あくまで個人の考えです。劇場版1がお好きな方がいたら申し訳ありません)

 

次の二期1〜5話に関しては1つめのリストと同じ流れですね。

何しろ二期の後半はみぞれ&希美は殆ど出てきませんので、

ふたりの物語をアニメで知るにはここを観るしかないわけです。

 

続いては原作のパート2を読むのが良いでしょう。

「えー! いま二期5話まで観たところの原作なんでしょ?

 なんでまたそこのお話なの!!」

とお考えだと思いますが、

TVアニメ二期は原作パート2,パート3を

13話ぶんに圧縮して構成されていますので、

オミットされている部分も残念ながら多く存在します。

また、【リズ】を観た際の個人的感覚として、

「これはかなり原作の雰囲気に寄せた映像化なのでは?」

という感想を抱きました。

原作ではシリーズを通して(特に希美&みぞれに関しては)、

思春期の女性同士が抱く(らしい)依存的友人関係・依存的友情を

これでもか、これでもかと描写しています。

判り合いたい、本音を言いたいけど怖い。

伝えた言葉が上手に伝わらない、

平行線のまま外見だけは上手く修復している。

といった感覚が著者・武田綾乃さんの文章からヒシヒシと伝わってきます。

学生同士の憧憬と断絶を絶望的なまでに克明に描きだす描写は、

【リズ】の主役ふたりの物語の根底にある重要な部分だと思います。 

 

原作2巻を読み終わったら、劇場版2を観ましょう。

TVアニメ二期6話〜13話、および二期全体を再構成し、

元々の主役・黄前久美子と久美子の姉、

そして久美子の先輩・田中あすかにまつわるお話として編集されています。

【リズ】開始時には物語中の季節が一巡し、新年度・新学年を迎えています。

三年生の部員が引退・卒業し、

【リズ】メインキャラ達が新三年生として部活の中心になっています。

その新体制に至るまでのハイライトを観ておくのも

【リズ】を掴む上で重要なポイントが沢山あるはずです。

【リズ】の主役は殆ど出ませんが。

 

あと、単純に出来がいいんだ劇場版2。

観てくれ。単品として十二分に楽しめるはずなんだ。

うるせえ。観ろ。

 

次は原作ですね。

第二楽章編はまさしく【リズ】の原作と言える部分になります。

前述の通り【リズ】はかなり原作の雰囲気に近い映像化を実現している(と思う)ので、

読んでおくと良いと思います。

ただ、原作はあくまでも黄前久美子の物語として進行して行きますので、

久美子の周りのキャラクターやエピソードも多く登場してきます。

それらを「ノイズ」と感じる方も多いと思いますし、

何より「ネタバレ」を知った上で【リズ】鑑賞に臨むことになりますので、

それを嫌うのであればスルーしてしまっても全然OKだと思います。

上下巻で少し長いですし(今更)。*2

 

さて、お待たせしました。

ここまで付き合って頂いた方はもうユーフォ沼に

とっぷり浸かっていることでしょう。

満を持して【リズと青い鳥】の上映をご鑑賞下さい。

そして震えて下さい。

感じて下さい。

ふたりの物語を。

 

◼️まとめ

長いガイドにお付き合い頂きありがとうございました。

重要なポイントとしては

  • 一期を観るなら劇場版より一期通しで観よう
  • 二期は5話までが重要
  • (できれば劇場版2も観て)
  • 原作「第二楽章」はネタバレ回避でスルーOK

というところでしょうか。

 

ちゃぶ台を返すようですが、そのまま【リズ】に突撃するのも全然アリです。

それくらいのオーラ力がある作品です。

リズと青い鳥】を観てください。

観てください。

 

あなたにとっても【リズと青い鳥】が大切な作品になることを願っています。

 

-----

 

あっそうだ(唐突)

ユーフォに運良くハマってくれた人は、

「立華高校マーチングバンド部へようこそ」も読んでくれよな〜

頼むよ〜

作品世界内で最強最悪のサイコパスなやべーやつ(CV:田所あずさ)が主役だからよ〜

 

*1:二期の第1話は50分スペシャルとして放映されたので、実質6話分の長さがあります

*2:【リズ】の背景で中川夏紀がどんなドラマを体験していたかを知っておいてほしい、というのはなまら強く思っていますが

【ネタバレ有】 #リズと青い鳥 感想

京都アニメーション新作劇場アニメーション
リズと青い鳥」を観てきました。

つい先程観終わった所なので、一度の鑑賞では感情の整理が追いつきません。
ちょっと色々と箇条書きで書いておきます。

原作シリーズ既読の上での感想です。

感想っていうかただの感情の殴り書きですね…まあ熱いうちに打てと言いますし。

以下ネタバレ
劇場で観てから読んでくださいね。

 

 

 

 

--------------------

 

 

 

 

 

 


dis - joint.
「ばらばらに別れる」

 

新山聡美とか云う畜生

(ひとりへのほんの小さな声掛けだけで2人の人生を大きく揺さぶった女)

おう魔性の女キャラでアテレコに臨むのやめろや

 

パンフレットのシーンの希美の表情がカメラから見えなくなるところ
は?(マジギレ) 天才か?
むり。しんどい。

 

ピアノ弾くところの一触即発オーラ!
歩く良心の塊:吉川優子
調停者の鑑:中川夏紀

 

戦闘民族:高坂麗奈
あそこの横顔! 喧嘩売ってる!!
なまら煽ってる!!
闘争だけを望む女!!!

 

リリカちゃんの純粋な尊敬と愛情に感謝を…感謝…
リリカに後押しの言葉をかけてあげた希美の無邪気な善意がつらい

 

オーボエ二人の伸びやかな優しい二重奏がしゅばらしい、すき。すき。

 

そのすぐ後の合奏シーンの重々しさとぎこちなさ。
悪魔か、山田尚子
悪魔だ。吉田玲子。

 

「のぞみ、私になんかよそよそしくない?」
お前!!!
お前!!!!!
お前がやったんだろ!!!
お前じゃい!!!
全部お前のせいだろうがーーーッ!!!

 

露骨に目をそらす希美。
ハグを拒否する希美。
器の小さいふつうのひと。みんなそうだ。
でもな、お前のせいなんやぞ。
全部、お前のせいなんやぞ。

 

みぞれの気持ちは変わらない。最初から最後まで。

 

影の影のMVP:全てを見通して(ほんとぉ?)中川夏紀を副部長に推した田中あすかとか云うヴォルデモート

 

校舎の片隅で演奏しただけで傘木希美の心を折る女、黄前久美子(と高坂麗奈)

 

突如訪れた覚醒シーンで臆すことなく

渾身のファンファーレをぶち込んできたトランペットパート!!!!
吉川ーーーーッ!!!
高坂ーーーーーーッ!!!!!
小日向ーーー!!!
あそこ吹いた後の高坂ぜったい超絶ドヤ顔!!!!! 

 

「みぞれのオーボエ、好きだよ」
は? 殺すぞテメー
あの心からの「愛の告白」に返す言葉がそれ?
ホント最低。
そこがこの物語の良い所なんだけど。

 

-----

 

ふたりは歩きだす。
図書室へ。
音楽室へ。

2人の道は別れていく。

けれど、気持ちは「初めて」繋がった。

 

dis - joint.
「つながる」

 

-----

 

素晴らしい作品を作り出してくださった、
京都アニメーションの皆さん
監督、山田尚子さん
脚本の吉田玲子さん
キャラクターデザイン、西屋太志さん
音楽、牛尾憲輔さん
素晴らしき演技を出してくださった出演者の皆さん


作品に関わった総てのスタッフの皆さま。

本当にありがとうございました。

 

-----

 

次はいつ行こう。

「銀河ナベ伝説おでん」

https://anond.hatelabo.jp/20170903063624
「おでん」って落ち物PCゲーム誰か知らない?

 

https://anond.hatelabo.jp/20170903063624

 

ブクマコメントもしたけどついでに色々ググった

bilibili動画でソレっぽいタイトルが引っかかったので貼っておきますね

http://m.bilibili.com/video/av4969163.html

 

正直つまらなさそうだと思った(KONAMI

けものフレンズOPコーダ部分が泣けるよねって話

 

いや実際ムズいんですよ意外とコレが。

Signalize!には負けるけど。

 

んで思い付いたのが以下の内容。

 

 

おわり。

今夜もうすぐ11話なんで楽しみです〜

 

アニメ「けものフレンズ」に対する反応の差を考える

昨今の話題をすっかり独占しているアニメ、けものフレンズ

私も遅ればせながら録画分を観て追いつく事ができました。

 

結論から言うと「非常に面白い」!

OP曲のキャッチーさと

アイキャッチの動物園の飼育員さんのコメント

そして脚本の丁寧さが非常に良いと思います。

 

フレンズ達の動きが元になった動物たちの特徴を確実に捉えており、

かつそれがストーリーに上手に織り込まれているのが秀逸です。

 

一話冒頭の「かりごっこ」のシーンで、サーバルが「まさにネコ科」という

曲線を描く追いかけ方をしているのが上手いと思ったり

木陰で休むところで「かばんちゃんは元気になるの早いね!」といったセリフがあったり

そういう所が好きだし、観てると本当に動物園に行ってみたくなります。

 

商売としてはもちろん大人のオタク向けの作品なんでしょうが、

子どもさんが観た時にどういう反応をするんだろうか〜、っていうのは凄く気になりますね。*1

 

ちなみに、作品の細かい描写の素晴らしさや丁寧さに関しては、

こちらのブログ様のエントリで5000000倍くらい素晴らしく説明してくれているので

ぜひ皆さんも読んでみましょう。読み物としても凄く面白いよ!!

 

---

 

さて、本題。

一応(めんどくさい)オタク相手への評論をして稼いでいる人、として有名な人達が

ぽこぽこ「けものフレンズつまらん、切った」という反応をしていて

Twitterやらではちょっとばかし話題になりました。

 

もちろん「一話はそこまで劇的に面白いわけでは無い」というのは僕もそう思うので、

そこに関しては別に個人の感想次第だとは思います。

 

しかしこの2名の反応を見ていると、

「ゆるい展開に耐えられない」

「声が棒読み過ぎる」

「CGキャラの動きがつまらなさすぎる」

みたいな反応が主になっているんですよね。

 

でもそれって、昨今の深夜アニメだと結構もう、ごく当たり前の展開や演出だと思うんです。

ゆゆ式 然り、

キルミーベイベー 然り、

gdgd妖精や、それこそ たつき監督の前作「てさぐれ!部活もの」なんかでも

とにかくルーズというかフラットな演出や物語の展開は当たり前になってきてると思っていました。

 

でも実際ゆゆ式が緩いだけのアニメかと言うとそうではなくて、

三人のメインキャラが実は1vs1だと上手く会話できてないとか、そういう人間関係の妙を上手く描いていたりするわけです。

 

けものフレンズにおいても同様で、

冒頭のかりごっこでは前述のようにサーバルはネコ科そのものな走り方の軌跡を辿っていますし、

崖から飛び降りる時の距離の測り方や

サーバルとかばんちゃんの疲労回復の仕方の違い、

プラケースの蓋を開けられないサーバル

といった具合の動物描写が細かく演出されています。

描写がいちいちホンモノっぽいので観ていて「あー、ネコ科だ、っぽいぽい!」とうなずいてしまうし、

「あー確かにヒトはあんまりハァハァし続けて休まないなぁ」とか思ったりするわけです。

 

この人達はそういうのを観て特に何も思わなかったのかなーって。思うんですよね。

そりゃあ流行り出す前の前情報無しで観たら切りたくなる作品だとは思います。

でもアンタら(俺と同じように)流行りに後追いして観始めたわけでしょう?

その上(仮にも)評論家的な仕事もしているわけでしょう?

それで「あーつまらんかった観るのやめるわ」だけで終わらすって相当に終わってない?

好き嫌いは別として、人気作品としての出来を観察したりとか、

細かい演出を拾って解説してみたりとか、

そういうの…なさらないんですか?

 

天の声(えっそんなん関係ないでしょ)

 

ソッカー。

 

---

 

俺が思うに、これは所謂「日常系アニメ」を本当に日常的に摂取しているか、そうでないかの違いなのではないだろうか…

と何となく考えていたりします。

彼らは80〜90年代を生きてきた旧世代オタクの感覚そのままで

(恐らく俺も全く着いて行けていない)現代の10年代深夜アニメの文化に対応できていない、

ということではないかなと思うんです。

彼らは確かにいち評論家や実業家としてそれなりの成果を残してきたのかもしれませんが、

少なくとも現在の最新のアニメシーンには着いてこれていない*2んではないでしょうか。

 

Twitterハッシュタグでよくある「細かすぎて伝わらないアニメ○○の良いシーン」とかで

地味だけど良い演出、とか細かい伏線とかを

話題にしたらバズったりしているのをTLで結構見かけるので、

「放映後に後からでも良いシーンや良い作品が話題に復活しやすい」

「上手くバズれば埋もれかけた名作が再注目されやすい」

みたいなことはあるのかなーって気はします。

(実際俺も「Twitterでこのアニメ話題になってたし少し真面目に観てみようかな」ってなることは多いです)

(「えっあんまり面白くないけど…イヤイヤあんだけ話題になってたしそれなりに観るべき所はあるはず…」も結構ある)

(「やっぱりつまらんかったわ」もある)

(「やっぱりアイカツ一期って神だわ」)

 

---

 

ネット上の反応も見た上で、みんなで人気作品を共通に楽しんで、

「わーい! たのしー!」と喜びを共有するのが、

イマドキのアニメやゲーム、漫画の楽しみ方なのかもしれませんね(劇寒てきとうまとめ)。*3

 

---

 

おまけ

けものフレンズ第1話のクソだるな緩さは某監督降板前の「らき☆すた」初期エピソードに近いものがあると思っているので、

山本某さんのけものフレンズに対する反応はどうなんだろう…というのは少々気になっています。

(昨今の、何も起こらない系日常アニメの源流はらき☆すた初期だと思っているマン)

*1:なんでも円盤はガイドブックに引っ付けて書籍流通になるそうなので、どこかの本屋さんでママと子どもがフツーに児童書コーナーから選んでいく光景が出ないかな、と ごくほのかに期待している

*2:もしくは「敢えて」着いてきていない

*3:これで昨年大躍進したのが「君の名は。」「この世界の片隅に」だというのはご存知の通りである。

映画「この世界の片隅に」を観てきました

もう何もかもが凄かったので感じるままに

スマートフォンのメモ欄に殴り書きしたものを

そのままペーストします

 

この作品を観られてよかった

この世界に生きていてよかった

素直にそう思いました

 

みんなも"劇場で"観て。

http://konosekai.jp

 

ネタバレあり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一次資料や実際の時代を生きた人達がギリギリ生き残っている「今」だからこそ作れた作品

 

死や争いを描いて反戦を訴える方法もあるが
この作品は「生」を描いて争いの哀しさを描く

 

戦時下でも人々の生活は続いている
人々はその世界に生きている
だからこそそれらが一瞬で焼き尽くされ失われる戦争は恐ろしい


玉音放送を聞いて激昂するすずさんの心境
「こんな結果に終わるのなら何故戦争なぞ始めたのだ
戦争なぞ無ければ呉も、広島も、晴美さんも私の右手も
失われずに済んだはずなのに」

 

(あそこのすずさんを揶揄してウヨ映画呼ばわりする論調が起こりそう)

 

怒りながら井戸水を汲むカットの凄味

 

8月15日に炊かれた白いごはんの美味しそうなこと

 

真っ暗だった呉の夜景がポツポツと覆いが払われていく美しさ

 

高畑勲火垂るの墓
宮崎駿風立ちぬ
片渕須直この世界の片隅に

戦時を描く日本三大アニメーション

 

松原秀典って凄いアニメータだったんだ

キャラデザの勝利

活き活きと動き回るキャラクター達がただただ愛おしい

【ユーフォ】二期一話

待望のユーフォ二期が始まりましたね。

 

 

第一話はまさかの一時間スペシャルで眼福でございました。

動画42:25あたりからの花火大会での会話シーンがハイライトですね。

 

若き才能を迸らせる麗奈の、潔癖で迷いのない語りが印象的でした。

 

-----

 

主人公たちの通う高校の吹奏楽部は、昨年コンクール絡みで部内の対立が起こり、

当時多くの一年生部員が退部することになりました。

 

主人公たちが入学・入部した今年、コンクール地区大会での奮闘もあり

にわかに注目を集め、昨年退部した現二年生の傘木希美は

突如、吹奏楽部に復帰したいとの希望を申し出ます。

コンクールメンバーではなく、

あくまでいち部員としてサポートに回りたいと言う彼女に対し、

部内の実力者で副部長の田中あすかは、

「今復帰することは部活にとってプラスにならない」と一蹴してしまいました。

 

その後ややあって物語は京都の花火大会のシーンへ。

主人公久美子と、「やんごとなき引力」*1で結びつく麗奈は、

力強い言葉で持論を口にするのでした。

 

ここのセリフのこう…純粋さというか…まっすぐさというか…

ああこの全身がむずがゆくなるような感覚!

それでいて眩しくて輝いているような感覚!

あまりにやんごとない感覚でしたので書き起こしてみました。

 

-----

 

「辞めるってことは、逃げることだと思う」

「それが嫌な先輩からか、同級生からか…それとも自分からかは判らないけれど」

「…とにかく逃げたの」

 

「わたしだったら絶対逃げない」

「嫌ならねじ伏せればいい」

「それができないのにやめたってことは、逃げたってことでしょ」

 

「…麗奈だね」

 

「そう? 普通じゃない?」

「わたし達は全国に行こうと思ってる」

「特別になるって思ってるんだから」

 

「全国に行ったら特別になれるのかな」

 

「わからない」

「…けど、それくらい出来なきゃ、特別にはなれない」

 

-----

きっと彼女もいつかは現実で

「どうしようもない壁」にぶつかることもあるのでしょう。

現実で壁に阻まれ、沼に引き摺り込まれている私たちのように。

 

そのときに誰もが判っていてほしい、

「逃げることは恥ずかしいことではない」ということを。

「逃げた後、どうやり直すか」が大切なのだということを。

 

マイケル・ジャクソンも言っていました。

「人生は勇気試しの場所じゃない、どうしようもない時は、さあ逃げろ」

You have to show them that you’re really not scared
You’re playin’ with your life, this ain’t no truth or dare
They’ll kick you, then they beat you,
Then they’ll tell you it’s fair
So beat it, but you wanna be bad
本当に怖じ気づいてないと奴らにしめさなくてはならない。
おまえは人生をもて遊んでる
これは「truth or dare(勇気だめしのゲーム)」ではない
奴らはおまえを蹴り、打ちのめすだろう。
そして、それが報いだと彼らは言うだろう。
だから逃げろ。 

maash.jp

 

-----

二話は水着回

水着回のあるアニメは名作。

よし、次は野球回だな!!(錯乱)

*1:まさかの公式で「引力」とされています。「レズ」「百合」に続く新たな概念として先日話題になっていました → http://anime-eupho.com/character/