幸せなキスをして終了 Ver.2

ダイアリーからブログに引っ越したつもり アニゲと音楽のこととか

【アニメ】電脳コイルを観た感想

「コイツは観終わった後に長文感想を書きそう」と言われたので書きます。

多分長文にはならないと思います。

(まあまあ長くなってしまいました。)

 

◼️電脳コイルとは

 

アニメ「電脳コイル」は2007年にNHK系列で放送されたTVアニメです。

制作会社はマッドハウス虫プロ系列から、かの出崎統らが中心になって分化した老舗スタジオですね。

マッドハウスといえば老害入りかけの中堅オタクには「CCさくら」とか「ギャラクシーエンジェル*1とかでしょうか。

近年だと「宇宙よりも遠い場所」「若おかみは小学生!」などで傑作を届けてくれていますね。

その反面、定期的に「蒼天航路」「魔法戦争」「中間管理職トネガワ」など絶妙にコメントしにくいネタ作品を投下してくるスタジオって感じです。

今回の「電脳コイル」も発表以来大変評価の高い作品として、多くの方に親しまれていますね。

 

観よう観ようと前々から思っていて、結局10年以上経ってしまったな…というのがまず第一の感想。

(当時から見た)近未来を描いた作品というのは、10年くらい経つと実際とは技術的に進歩方向がズレていたりして陳腐に見えたりという事も多いですが、

電脳メガネというガジェットを用いた拡張現実(AR)を絡めての世界観設定は

19年の今観ても充分に説得力のある地続きの未来って感じがしましたね。

 

◼️作画がキレキレで見応えアリ

 

監督・脚本はアニメーターとして高名な磯光雄さん。

「ポケ戦」の戦闘シーンとか「逆シャア」の作監とか「エヴァ旧劇」弐号機の活躍シーンとか、

多くの名シーン、名カットを手掛けているレジェンド中のレジェンドの一人です。

 

それを受けてか、参加アニメーターも凄腕揃いのオールスター状態。

特にOP、各話通して「走り」の作画がどれも素晴らしいクオリティ。

単純に上手い、動く、カッコいいというのもそうなんですが、

どの「走り」もキャラクターの心情や性格が伝わってくる芝居の細かさが良いですね。

あとどのキャラも異常なまでに足や腕、背中がキレイ&こだわって描かれていて

「あっコレはロリコン&ショタコンに全振りな作品ですわ」と

1カット1カットからビリビリと伝わってきます。*2

 

◼️少年少女の痛みと成長を描く

 

ストーリーは「昔からの古い街並み」と「メガネによる電脳空間」が交錯して産まれた、「新時代の都市伝説・子ども達の怪談話」と

メインキャラとなる2人の少女が持つ「隠された過去」が不思議な所で交差して産まれるドラマ、が主軸になっています。

前述している作り込まれた世界観&技術設定の開示と、メインストーリー展開が上手に絡めてあるので

序盤から違和感無く設定の理解が進み、とても観やすい作品でした。

 

終盤はかなり複雑になる展開と背景の伏線回収をほとんどおばあちゃんのモノローグでしてしまっていたので、

もう少し話数や尺があったら自然な展開になったかもしれないなぁ、とは思いました。

 

でも後半のクレジットは作監・二原がてんこ盛りになってましたし、

結構逼迫した制作状況だった臭いので、

これ以上長かったら万策尽きて酷いことになってたかもしれませんね。*3

個人的には後半から「アイカツ!」キャラデのやぐちひろこさんが参加していて「おお!」となりました。

 

テーマとしては

痛みと喪失を知り、それを乗り越えること。

互いに嫌な所を認め合った先に、本当の友人関係があること。

それらを知って子どもから大人に変わる瞬間を描く。

みたいな感じでしょうか。(小学生並の理解度)

 

前述のようにとにかくキャラクターの芝居(アニメーション)が良いので、

展開・セリフからくる感情がストレートに観てる側に落ちて来て

非常に良い視聴体験になりました。

ラストも「号泣〜!」とまでは行きませんがホロホロと泣けてくる感じ。

あ、犬派の人は多分ラスト3話は画面が観えなくなるレベルにヒットするかも。

 

◼️ここすきポイント

 

個人的に気に入ったキャラクターは、ベタですが主人公のヤサコ。

第1話〜3話くらいまでかなり猫かぶってる大人しいキャラぽかったのに、

フミエちゃんやクラスに慣れてくると素が出てきて天真爛漫な感じが出て来て好印象でした。

やっぱり京子ちゃんの姉なんやなコイツって(回想で「ウンチ〜」言ってて大草原)。

走り方もすき。

 

いじらしい恋心を見せるシーンが度々出て来るのも良いですね。

あの去り際の告白は反則でしょう。

最後の最後で百合っぽく絆を作るけど、あくまでもノンケで男のコと素直に恋愛して行きそうな所もとても良い。

我、こういうのすき*4

 

あと、1話のフミエちゃんが角から走って出て来て急停止するカットがめっちゃ好き。

みえそうでみえないプリーツスカートが変態的。

「うわっ!80年代ロリコンアニメの系譜だ!!!」と確信した瞬間でした。

 

pixivでザッと検索したらイサコとフミエが人気ツートップぽくて膝を打つなどしました。 

「あ〜わかる〜ロリコンならフミエちゃんだよなァ〜」とキモ笑顔になりました。

 

 

 

◼️おわりに

 

Amazonプライムビデオに追加されたのを知り、

ここで観ずにいつ観るのだ!?となって

「えいやっと」一気に観てみましたが、やはり大正解でした。

ストーリー的にも作画的にも大々満足です!!

TwitterTLで言及して下さる方がいましたが「百合とSFの完全なる融合」と言える傑作でした。

 

昨年には磯光雄監督作品、超久々の新作も制作発表されましたので

今後も活躍・情報が楽しみですね。

 

地球外少年少女

http://www.signal-md.co.jp/works/chikyugaisyonensyojyo/

 

これで絵に描いたようなネ○ウヨでなきゃ最高のアニメータ&監督なんだけどなぁ…本人のTwitterを見てはいけない(戒め)

*1:個人的にはCLAMP作品とやたら結び付いてるイメージ。X、さくら、こばと諸々。あと今敏作品

*2:「萌えに振り過ぎてる作画は嫌だから電脳コイルくらいで丁度いい」とか書かれてる風聞があるが、どう考えてもコッチの方が「ロリコン」にピンズドな気がする

*3:調べたら本放送時はマジで中断&特別総集編の放送があったようで

*4:だから「響け!」の黄前久美子高坂麗奈も好きなのである

【DELTARUNE】#デルタルーン 取り急ぎ・感想と考察【ネタバレ・スクショ有】

追記

Toby Fox氏のTwitterアカウントより、

今後の開発ロードマップに関する声明が

発表されました。

https://twitter.com/tobyfox/status/1058193763087118336?s=21

 

-----追記ここまで-----

 

唐突に襲ってきたハロウィンの贈り物

2018年10月31日、大人気インディーゲーム "UNDERTALE" の作者Toby Fox氏が

突如とあるexeファイルをインターネットへ公開した。

 

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Tobyが公開したURLに記載された注意書き。スクショは適当

「これから起こることのすべてを、受け入れていただきます。」

何とも恐ろしい文章である。

 

インストールしようとすると、実行したファイルにまで

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インストーラにまで同じ文章が

ローマ字表記で同様の文章が記されている徹底ぶり。

ファイル名が"SURVEY_PROGRAM"となっているので、

「何らかのユーザからの意見や反応を求めている」可能性が高い。

 

インストール後、ファイルを起動すると

何かのキャラメイクらしき画面から、新しい物語が幕を開けた。

 

どこか見たことのある世界、

そしてどこか違って少し恐ろしい世界。

 この瞬間、ファン達は「新しい一歩」を踏み出して

恐れおののき、そして狂喜した。

 

ともかくプレイしてみる

そんなわけで「DELTARUNE」です。

配布開始から24時間は「内容を公言するのはやめてね」と

直々に配布サイトでネタバレ自粛をお願いされていたのだが、

一応期限は過ぎたので、一通りプレイ&体験した

記録を残しておくことにする。

 

現状ではPCでのみプレイできます。

公式配布サイトはこちら。

www.deltarune.com

 

言及okとなったとはいえ、

未プレイ者も多いとは思うので ネタバレ注意です。

スクショも取れたところはバシバシ貼るので

そういうのが嫌な人は自分でプレイしてね。

 

--------------ネタバレ注意----------------

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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どこかで見た懐かしい平和な部屋

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画面インターフェイスのあの時のまま

どうやら操作キャラは「クリス」Kris という名前のようです。

家にはファンには見慣れた優しい「彼女」の姿が。

学校に送って行ってくれます。

 

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テミー! テミーじゃないか!

クラスメイトも見た顔がちらほら。

あっ、教師がコイツってのはちょっと行く末が心配ですね。

 

とある「新顔」が教室に「ドカン」と入ってきますが、

SSは撮り忘れました。

エキセントリックな彼女。いいキャラです。

 

基本的に盛り上がる所は、展開に集中してしまって撮り忘れています。

勘弁な。

 

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教師にチョークを取ってこいと言われたが…

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闇に取り残されて…

 

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気が付くとこんな姿で、不思議な場所に。

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セーブポイントのような場所も。

「決意」は出ませんでした。

 

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エキセントリック・ガール「スージィ」と再会。

いわゆる「バッド・ガール」な不良少女のようですが、

なかなか憎めないキャラです。

 

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いつの間にかUIが刷新されています。

落ちた後からはコレになっていた?

 

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移動中に弾幕や回避が必要になるパートが出来ています。

当たるとダメージ。

 

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まさかのバトルは横視点&複数名でのパーティ・バトル!!

バトルBGMがめちゃめちゃにカッコイイイィィ!!!

攻撃はゲージ止め、回避は弾幕と根っこのシステムは一緒。

スキルギミックが追加されている。

 

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ラルセイという「もふもふショタ」と行動することに。

ここのシーンでは意味深な彼の視線を感じることができる。

 

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マラカスめっちゃ振ってそう。

 

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イヌを仕込まないと死んでしまう病

 

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イベントで唐突にUIが変わって何かを作らされたりするネタも。

ここ面白かった。

 

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ここすき

じんわりと来る名シーンです。

 

ダンジョンっぽい塔を上ったりして進むと、

佳境な感じのイベント&バトルに。

 

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ちなみに、このラルセイというもふもふショタ、

いちいちアクションが可愛くてめっちゃカワイイ(カワイイ)

ちょっとだけ「One Shot」のニコくんっぽい感じ?

 

ラルセイくんはちょっとだけ正体らしきものを見せてくれるのだけど、

それは多分実際プレイして見た方がいいでしょう。

 

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なんやかんやで元の場所っぽい所へ戻ることに。

 

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あっ、ふーん…

 

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これは…あの時みんなで越えた門なのか?

 

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お前のことが逢いたかったんだよ!!(言語障害

 

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お前にも逢いてぇけどな~俺もな~

 

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まさかの「Monster Kid」ちゃん 事実発覚

 

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ここでも懐かしい奴と会話できます。

中には入れませんが、

建物だけで誰がいるのか大体わかりますね。

 

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えっなにそれこわい

 

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あっ…みんなが待ち望んでいた家に帰ってきたんやなって…

 

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ちなみにこの記事は例のNintendo Direct 11/01の後に書いています…。

思わせぶりな時期のかぶせかたしやがって…! 畜生! 畜生!

(DirectでSans参戦が来ると信じて疑わなかったファンボーイの鑑)

 

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ガーソンというのはUNDERTALEにも出ていた亀さんぽい学者の人です。

彼はもう町には「いない」ようですが。

 

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町をうろうろしてみんなとの会話を楽しみ、

家に戻ってベッドに入ると、とあるイベント後に

「チャプター2へつづく」と出てゲーム終了。

 

プレイしての考察

色々ズラっと書いておく

 

・ラルセイがやたらと「不殺」プレイを推奨してくる

 →というか前作経験者は「不殺」でやろうとするわな

 →それを逆手にとって「こいつだけは殺さないとダメ」みたいな

  ギミックを入れてきそうな気がする(ただの予想)

・UndyneとAlphysが顔見知りじゃないっぽい

 →純粋に違う世界線(並行世界)っぽい?

Asrielは成長してカレッジに行っている

 →並行世界だけど、時系列としてはUndertale本編よりも後?

・地下に落ちた後はクリスもスージィもちょっとだけ姿かたちが違う

 →地下で会うモンスターやキャラは町の人たちの変化した姿?

 →塔のボスバトルの後で「彼」が正体を現したときは

  「あっ、これハロウィン用の手の込んだ仮装ネタなんかな」

  と思ったりしました。もっとヤバいネタだったね

・町の南に打ち捨てられた「門」

 →やっぱりPエンドの後っぽいのか?

 →この並行世界でも詳細は色々違うが平和的に門の外に出ていて、

  その後時が経ってDELTARUNEに突入している?

・町で「ニンゲン」はクリス一人だけらしい

 →この世界における「Chara」に相当するニンゲンなのか?

 →ラストのイベントはそういうこと?

 →となるとP→G→Pルートで進んだ後の時代のお話なのか?

 

考察はこんな感じ?

スターシステム」って考えてる人も多かったけど、

明らかにみんなの知ってるあの物語とリンクさせてるところも

あるようなので、関連性のある作品になってると思う。

 

感想

ゲーム部分が純粋にめちゃめちゃ面白かった!!!

これでもっと先のストーリーまで是非見てみたい!!

新キャラのスージィやラルセイ、ランサー、ノエルなんかが

とってもいいキャラをしていて一気に引き込まれる。

うざいイヌ*1、キャラに愛着を沸かせる天才か?

 

考察厨には背景まで含めてじっくり考えさせ、

単純にゲームプレイの楽しさとストーリーの引きで魅了する。

そして作品を彩る珠玉のBGM。

これは間違いなく注目の一作になりそうです。

 

とはいえ、熱心なファン(ただの狂信者)や

いわゆる二次創作で思い入れの強い人にとっては

「公式が地雷」になりそうな気はしています。

本編が公開されたら「お気持ち表明」が

爆発的に流布されそうだなと思いました。

 

 

じゃけん配布サイトに書いてあったこの文章貼っておきますね~

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プレ・サントラもBandcampで販売開始されました。

tobyfox.bandcamp.com

 

 取り敢えず、もっと対価払わせて?

もっと応援させて?

あぁ^~続きプレイしたいんじゃ~

 

本編の開発を楽しみにしています。

*1:Toby Fox氏は自画像や写真にUNDERTALEのキャラ「うざいイヌ」の画像を貼っていることが多い

【Grissini Project】格好良いゲーム音楽演奏系youtuberを紹介したい

appleipad発表やばいっすねあれ

iphoneの時のガッカリ感が嘘のようです。

 

発表会のあとにYoutubeだら見していたんですが、

予想以上にカッコイイ動画投稿者を見つけたので

僭越ながらちょっとご紹介を。

 

www.youtube.com

 

たぶんフランス?のひと。

よぐわがんにゃいけどね

 

フツーにクラシックの曲もやってるけど、

メインメンバーがピアノの人(チャンネル管理者)と

ヴァイオリンとチェロの人らしく、

その三人の編成でアレンジされているパターンが多い。

 

ゼルダ関連から引っかかって出てきたこの動画が凄かった。

Zelda : Breath of the Wild - Medley by Grissini Project - YouTube

18/10/31時点で388,632再生!

なんですけど、音声ファイルにミスがあったらしく、

再投稿で差し替えられたこっちがお勧めです。

 

[REUPLOAD] Zelda BotW Medley, fixed stereo sound !

youtu.be

 

選曲の良い塩梅さ、弦のハモりとユニゾンの取捨選択

そして何より終盤のピアノの爆走具合!

ボーカルを入れた4人アンサンブルとして完成されているクオリティです。

というかロケーションが半端ないっすね・・・流石おフランス

 

あとピアノの人はパイプオルガンで色々編曲&演奏もしていて、

白眉というかかなりのトンデモ「やってみた」なのがこちら。

 

Final Fantasy VI - Dancing Mad cover by Grissini Project

www.youtube.com

 

RPG音楽好きなら一度は夢想したはずの

「パイプオルガンでFF6"妖星乱舞"全曲やってみた」である。

しかもちゃんと人力で演奏可能になるよう絶妙の編曲を加えている。

 

一番「スゴイ」と思ったのはこちら。

映画「風立ちぬ」より。

 

(Ghibli) The Wind Rises - Main Theme by Grissini Project

www.youtube.com

 

純粋に後期古典派~ロマン派っぽい編曲が本当に見事です。

1つ目の動画からなんですが、何気にチェロの人すごい巧い…上手くない?

これもユニゾンになる部分をうまく使っておいしいフレーズがたくさんありますね。

 

------

 

ゲーム音楽の演奏動画は地味にハイクオリティな人たちがたくさんいて好きです。

(ベタなヘヴィメタルアレンジとかはちょっと辟易ですが)

逆に、フルオケや吹奏楽でやるとパッとしないのが辛い所さん!?ですね。

いわゆる室内楽とかコンボスタイルでやるのがハマるのかもしれませんね。

 

今回はこれくらいです。

 

 

 

 

 

あっそうだ(唐突) 今更ですがプリ☆チャン面白いですよ。

 

あっおい待てい(江戸っ子)

リズと青い鳥Blu-rayが12月に発売するから

みんな買ってくれよな~*1

 

*1:「若おかみ」が後からの口コミで伸びたのを見て(リズはどうしてこうならなかったんや…)と一人涙を流しました

「高音ストリングス4分打ち」に捨て曲無し、の法則

あると思います。

 

「高音ストリングス4分打ちに捨て曲無し」の法則。*1

もう少し細かく言うと、

楽曲の佳境部分(サビの事も多いが、サビに限らない)に、

高音でストリングス(ヴァイオリン系の弦楽器)の伴奏が

4分音符のリズムで一定に入って来るパートがある曲は

妙に名曲が多いのではないか? ということです。

 

イントロ、サビの裏、起承転結の転の部分、アウトロで不意に現れる

「テッ、テッ、テッ、テッ」と鳴ってくれるストリングスに

いつしか僕は心奪われるようになりました。

もはや僕は「高音ストリングス4分打ちだいすき部」と

化しているのかもしれません。

略して「高ス4部」(こすし部)とでもしておきましょう。

 

「は? そんなんお前の観測範囲の中での問題でしょ」

と言われればそれまでではあるんですが、

まぁ好きな曲にたまたまそういうのが多かったのを

紹介したいということでひとつ・・・

 

ほんでばズンドコ貼っていきましょう。

各楽曲の、該当するポイントに極力Youtubeの秒数指定を掛けて

貼ってみようと思います。

 

■カレンダーガール

アイカツ! 【カレンダーガール】 - YouTube

TVアニメ「アイカツ!」一期より。

アイカツ!一期を観て下さい。

 

もうだいぶ前の曲になりつつありますが、

やはり高ス4部としてこの曲はまさに白眉と言っても過言ではありません。

イントロから高ストは随所に登場してテンションをアゲアゲにしてくれますが、

何より素晴らしいのはこのラストサビからの高スト、そして

サビ終了後のブレイクからのキックと完全シンクロして入って来る高スト!!

これ以上のアウトロが存在するだろうか。ない。

 

「なんてことない毎日がかけがえないの」大人はそう言うけれど、

イマイチピンと来ないんだよなぁ…ホントに…

 

(紹介した動画だと音質が動画クオリティなのでCDを購入するか

 Amazonプライムの聴き放題で聴くのがいいかもしれません)

 

TVアニメ/データカードダスアイカツ!』主題歌挿入歌 1年目①

https://music.amazon.co.jp/albums/B07DX5QFHD

 

アイカツ!一期を観て下さい。

カレンダーガールが気に入ったなら、

1話から3期の125話まで観るとご褒美がありますよ。

(長すぎィ!)

 

■ススメ☆オトメ ~Jewel Parade~

ススメ☆オトメ ~jewel parade~を3曲とも合わせてみた - YouTube

アイドルマスターシンデレラガールズより。

アニメ版とデレステ以降に定着した感がある曲ですが、

元々はモバゲー版の頃からの古参曲という感じのようです。

「思い出ボム」直撃するタイプの奴ですね。

 

Cメロ後半から、サビに戻ってきてからの高ストが良いです。

サビとアウトロのストリングスの譜面自体が非常に美しいパッセージになっていて

借用っぽい和音の入るコード進行と併せて

いわゆる非常に 「エモい」音になっていますね。

というかお前、単純に田中秀和ファンなだけちゃうんか?

 

ススメ☆オトメといえば、イントロや間奏にある

パッドの白玉伸ばしとカッティングも非常に印象的で、

そちらを挙げる方も多いと思いますが、

高ス4部としてはやはりサビとアウトロが良いと思いますね。

 

森由里子さんの歌詞にハズレなしって、それ一番言われてるから

 

■Daziling World

The Idolm@ster Dearly Stars - Dazzling World (Ryo Akizuki Version) - YouTube

 アイドルマスターディアリースターズより。

あと1年でアイマスDS発売10周年ってマ?

2009年発売…マジだった。

「またアイマスかよ」という声もあるかと思いますが、

個人的にとある節目のイベントで使ったこともある曲なので、

思い入れが強いのも、まぁ多少はね?

 

動画でのこれはゲーム内の音源ですね、

高ストの8拍目で「テッ、テッ、テッ、テーッ」とテヌートになる

ところが最高なんですよ、こういうのが高ス4部としてはたまりませんね。

CD収録のM@STER VERSION(フル音源)も最高だから聴いてくれよな~

 

イントロからのキャッチーさのあるストリングスがとても良いと思います。

Aメロに入ってからのエレピとベースがCD版だとさらにキメキメなので

素晴らしいですよ。

 

思えばずいぶん昔の曲ですが、本当に気に入っている一曲です。

 

■B&C

アイカツアイマス以外からもいくつか。

宇多田光 Utada Hikaru B & C. Bohemian Summer Live. Marine Stadium 2000. 20. HD 1080p - YouTube

うおお~懐かしいですね、ボヘミアン・サマーの映像です。

(この動画だと終盤の編集がガバってしまっていますが)

 

曲としてはフツーのミドル・ポップと言えるかもしれません。

ただ、個人的なメモリーとして、この宇多田ヒカル初のライブツアー

ボヘミアン・サマー」のライブDVD映像は、

自宅で家族が流していた時に「何か凄いモノを目にしているのだな」

という感覚がバリバリに感じられた作品でした。

 

特に後半のサビリピートに入るくだりで美しいスタジアムの空撮が入り、

コーラスの繰り返しと高ストのリフレインがこだまする映像・音声は

僕の心の中に確固たる記念碑となって残ったのでした。

今風に言うのなら「エモさ」を植え付けていったのかもしれません。

 

このライブは全編通してオススメです。

数曲カバー曲を披露するパートがありまして、そこがもうね…。

色褪せない大切な記憶の一つです。

 

■Rampish Chase

おまけ。

04 - Rampish Chase (1ST STAGE - WALL TOWN) - Magical Chase (TG-16) - OST - TurboGrafx - YouTube

こちらはPCエンジンというレトロゲームハードのシューティングゲーム

マジカルチェイス」のステージ1のBGMです。

 

発売当時から出荷数が少ない割にゲームの出来が非常によく、

BGMもクオリティが高いと評判の高かった本作。

制作に当たったスタッフには後に「伝説のオウガバトル*2タクティクスオウガ

ファイナルファンタジー12」を手掛けることになる

松野氏、岩田氏、崎元氏が参画しています。

PCエンジンはいわゆる「波形メモリ音源」というものを内蔵しており、

熟練のサウンドプログラマが手を掛ければ掛けるほど

表情多彩で重厚なサウンドを鳴らしてくれます。

 

この楽曲ではサビの部分で、

高音の4分打ちストリングスらしき音を聴くことが出来ます。

PCエンジンならではの金属的なサウンドのせいか、

不思議とライドシンバルの4分打ちのような感覚で聴こえてきます。

楽曲そのもののメロディやリズムも軽快で、

ゲーム全般を通して飽きさせることなく楽しませてくれます。

最終ステージのBGMは一味違ったテイストで

没入感をMAXにしてくれる名曲ですよ! 名曲!

 

PCE内蔵音源の話はまたいずれ。(こう言って書かないいつものやつ)

 

■おわりに

ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。

皆さんのご存知な「高ス4」なおすすめ楽曲があれば

是非知りたい所ですね。

 

特にオチは無いんですが、自分の好きなサウンドに関して

アウトプットして形にしておきたいと思っていて、

今後とも色々書けたらいいなぁと考えています。

 

いずれまたどこかで。

今回書きたいことはそれくらいです。

ありがとうございました。

*1:都道府県の某所では「ドタドタメタルに捨て曲無し」という格言があるとかないとか

*2:伝説のオウガバトルにはこのマジカルチェイスの主人公「リプル」をセルフオマージュしたアイテムとキャラクターが登場している。リプルってやっぱりデネブなんだろうか…? 個人的にはリプルの師匠がラシュディだと面白いのだけど、と思っている

印刷費は免罪符じゃないよって話

Twitterで最近見かけた、
「印刷代だけ貰ってるからセーフ」&「だからお前らのやってるDL販売はアウト」理論が
流石にちょっとガバ理論過ぎて「理論こわれる」状態になってしまい、
心の平静を保つのが大変だったので、別に当事者でも何でもないんですが
色々聞いた話や読んだ話をまとめておこうかなって思いました。
あくまで自分用のメモです。

 

一応書いときますが正確な知識や情報、法的な正しさやエビデンスがあるわけではありません。
間違っていたらご指摘いただければ修正したりするかもしれないししないかもしれませんが、
ともかく鵜呑みにするのはやめてくださいね。

 

◼️

 

元々(営利目的の)二次創作は、公式が許諾しているケースを除けば原則として著作権法違反である。
著作権法違反は権利者(いわゆる公式側)が声を挙げて告訴しない限りは罪に問われるケースはほぼ無い。これを親告罪と言う。

 

公式側としても二次創作で作られた同人誌については
「発行部数が少なく公式に対する影響がほぼ無いと考えられる」
「元々の作品に対する愛情・好意といった感情によるファン活動である」
「ファン活動が盛り上がる事が作品そのものの宣伝になりうる」
といった理由から、ひとつひとつの二次創作を躍起になって取り締まることは(大抵の場合は)ほぼ無いといってよい。

 

なので、基本的にはジャンルや媒体問わず、どの即売会やイベント、サイトも「グレーゾーン」の中実施・運営されている。

即売会においてはファンフィクションの冊子を販売するにあたり
「あくまで慣例として」
「同好の士に"サークルの会報・活動記録に近い何か"を配布しています。なので各位に印刷費分を負担してもらって配っています」
というお題目で販売を行なっている。そのため「販売」ではなく「頒布」と呼んでいる。

 

ここで重要なのは「印刷費を負担してもらっているから」という理由で
元々の二次創作による著作権法違反が
消えて無くなるわけでは無いよ、という事である。

 

印刷費だけを貰うことは免罪符ではない。
赤字であることは免罪符ではない。

 

ダウンロード販売をしない書籍での対面販売だろうが通販だろうが、
ダウンロード同人販売サイトを通じたデジタル配信だろうが、
男性向けだろうが女性向けだろうが、

どれも公式から見れば「著作権法違反」であることには変わりないのである。

 

営利目的ではない活動は違反として認識されることは非常に少ない。
だがそれは公式側が「まあこれくらいならいっかぁ。ファンのみんなありがと〜」と見逃してくれているだけに過ぎない。

 

◼️

 

こんなとこですかね。

繰り返し書いておきますが、
印刷費だけもらってるからセーフ、ではない。
ダウンロード同人だからアウト、ではない。
みんな相互にグレーゾーンに突っ込んだ同じ穴の狢なので、
お互い声掛けあって・襟正しあって仲良くしよ?
というお話でした。


僕も好きなサークルさんやジャンルはあるので、
これからも公式と仲良くして二次創作界隈が元気でいてくれたらいいなぁっておもいます。

 

あと無料公開だろうが有料だろうが、

公式がルール化して
「二次創作は絶対にやめろ」とか
「えっちなのはいけないとおもいます!」とか
「後半のストーリーやキャラクターに関して堂々と表記するのは勘弁して」とか

定めている作品もあるので、各作品なりメーカーの二次創作ガイドラインのチェックや情報収集はちゃんとしようね、ということです。

 

◼️余談

 

ちなみに同人二次創作グッズはアウトとみなされるパターンが多いらしいので、
やる時は覚悟を決めてやるようにしよう! という事らしい。
グッズ類は公式の販売物と競合する場合が多い上、
同様のタイプのグッズを二次創作物で揃えてしまった一般ユーザが
公式側の制作物を購入する動機が無くなってしまう場合が多々あるため、と言われている。

 

例として考えると、
どっかのサークルでキンプリの速水ヒロ様のスマホケースを自主的に制作して頒布しているとする。
営利目的とは考えていないのでケース本体の価格1000円+加工・塗装材料費で500円、しめて1500円で頒布することにした。

 

一方タカラトミーアーツも公式グッズとして速水ヒロのスマホケースを販売していた場合を想定する。
加工前のケース本体の価格は1000円とするが、版権許諾料や外部業者に生産を委託した関係で加工費に2000円掛かったとする。
しめて3000円の公式スマホケースが販売されることになる。

 

この場合、同人サークルで売られていた(あくまで頒布)ケースを購入した一般ユーザが、
わざわざ倍額の金額をさらに払って公式側のスマホケースを購入するだろうか?

 

「私はするわ! ヒロ様を、オバレを、そしてプリティーリズムを愛しているもの!!」


という善良な人もきっと沢山いるとは思うが、残念ながら同じくらいの人数で
「こないだのイベントでヒロ様のケース譲ってもらったし、こっちのケースは要らないかな、てゆーか使ってるスマホ一個しかないし」
と考える人もいる事だろう。

 

ファンの活動が公式のシノギを妨げてしまう瞬間である。

 

グッズ類はアニメやゲームを作る側としては重要な収入源とされるケースが多く、
円盤や原作はそこそこでもグッズが売れたので黒字でした
と云われるパターンも多いとか。
そこが同人グッズで刈り取られてしまうと、そらキレる版権側もあるだろうよ、というお話。

 

今日はこのくらいで。

伝聞と推測に基づく適当な文で申し訳ありません。

 

Vtuber「皇牙サキ」さんのポテンシャルがやべーって話

2018/05/09、平日の夜中に突然それは現れた。

- YouTube

3:15くらいから音声が入り始めます

 

アバターはいわゆるLive2D系な(にじさんじのアレみたいな指人形タイプ)やつで

まぁ二番煎じというかローコストで流行りに乗ってきてるやつ。

見た目は…まぁいかにもな黒ギャルボインなやつ。

 

中身が尋常じゃない。

 

初回の配信から「平田弘史」について語ります、ですよ。

平田弘史 - Wikipedia

不勉強でちゃんと知りませんでしたが、

貸本時代からの大ベテラン、劇画・時代劇漫画界では

レジェンド中のレジェンドですよ。

 

トークの感じも見た目に併せたギャル風の喋りなんですが、

紹介している作品「薩摩義士伝」のエピソードのインパクトも手伝って、

これでもかとパワーワードを連発してくる。

 

「2018年のインターネットだとドリフターズとかエフの七人とかで薩摩はヤバいって知ってる人も多いと思うんだけど、アレは希釈されてるのね。ハイボールなの。薩摩義士伝はさ、ロック呑みなのね」(意訳まとめ)

江戸幕府が命じてきた宝暦治水事件っていうのはさ、江戸幕府薩摩藩の経済的戦争なの」(意訳まとめ)

「生きるか死ぬかになった時に自分を犠牲にできる人はそうそういないよねって穏やかな口調で言うんだけど、命かける覚悟を見せろと言われてそのテンションのままスッと腹切るの。コンビニ行ってくるって感じのままで」(意訳まとめ)

 

といった具合に薩摩藩武士のヤバさをヤバみのある口調でヤバさ満載で伝えて下さる。

話している内容の理路整然さと、ギャル口調による程よい誇張によって、スルスルと観ている側に「薩摩藩の異常性」と「薩摩義士伝」の凄さを理解させてしまう。

 

その上で、日本教育における日本史学習がマクロ視点に限定されていること、そしてそれと歴史モノ劇画との差異を指摘してくる。

僕の低い知能でトーク解釈をすると、皇牙さん曰く「学校の勉強だけで言うとハイこれが起きました、次にこれが起こりましたー、というマクロな視点で勉強しているけれど、歴史とは本来マクロ視点とミクロな視点の両方で楽しむことができる。歴史マンガって群像劇的な描き方をするとミクロとマクロの両視点に相互に移行しなければ描くことができない。歴史モノ劇画が70年代に隆盛して、どれも異常なまでの長編化が起こってしまっているのはソレが原因のひとつ」だということである。

超長編化する歴史マンガの例としてサラリと「風雲児たち」(みなもと太郎著)を挙げてくるオタク基礎教養の高さ。本人としてはもっとミクロ視点に寄った歴史マンガが読みたいとのこと。

 

内側に言及するのは野暮な意見にはなるが、これは魂の人、間違いなく歴史か文学専攻で何かやってましたね…(確信)

 

ちなみに後半は次回紹介したいコンテンツを検討していたのですが、白石晃士監督の映画作品について語りたいとのこと。

コワすぎ!とかカルトとかオカルトとか貞子vs伽倻子で有名な方ですね。

「コワすぎ観てんのにオカルト見てない奴、人生の9割損してるからね」

うはぁこれはフルタップ投了ですわ…アバターとは言え、黒ギャルが白石晃士作品について語るっていうシチュエーションがつよい。つよすぎる。

 

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なんか文字化してもこの配信のパワーがあんまり伝わらないと思うので、取り敢えず観てください。1時間あるけど、中々に知見を得られる1時間になると思いますよ。

 

そんなわけで皇牙サキさんは注目ですね。アバターのアニメーションがばるんばるんし過ぎててちょっと刺激が強すぎる感はありますが。

 

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「薩摩義士伝」、配信中に一気にTwitterトレンドに入り出しまして、webコミックで公開中のリイド社アカウントも驚いて反応していました。

なんとこの配信での影響を受けて1週間の無料公開とのこと。あんたらフットワーク軽いな!!

薩摩義士伝 – LEED Cafe

僕も読んだんですが、凄まじい画面構成力と緻密な描写、そしてじっくりと沁み渡るストーリーテリングに震えました。

確かにこれは名作…!

こんな名作に触れるチャンスをくれた皇牙さんとリイド社には心からありがとうと言いたいですね。

【ネタバレ有】リズと青い鳥 感想その2(清書)

ネタバレ有なので、

劇場に観に行ってから読んでくださいね。

 

リズと青い鳥】を観る上でのオススメ関連作品ガイドも書いてます。

良かったらこちらもどうぞ。

osyamannbe.hateblo.jp

 

 

 

 

 

 

liz-bluebird.com

 

感想のまとめにトライします。

あらすじとかは特に書かないんで公式サイト読んでください。

 

■「学校」という閉じた世界からの「脱却」の物語。

主人公のふたり、鎧塚みぞれと傘木希美は高校生・吹奏楽部という現在に

とらわれた日々を過ごしています。

将来について漠然とした考えのまま

進路問題や友人関係に悩む(もしくは考えていない)普通の高校生です。

 

物語はみぞれ一人が希美を待ち続けてから二人で登校するシーンで始まり、

 二人が下校するシーンで終わります。

劇中では、アバンとラスト以外に

学校の外に二人が出ていることはありません。*1

 

パンフレットでも触れられていましたが、

映画での「学校」は劇中劇【リズ】における「鳥籠」の

比喩として【執拗に】校舎内のみの情景が映し出されます。

頭と終わりを除けば、渡り廊下をみぞれが歩くところと

とあるモブ部員二人が校舎外(敷地内ですが)

で演奏しているカットが挿入されるのみの筈です。

(このモブ部員の演奏がとんでもない爆弾という話なんですが)

 

お祭り、プールといった夏の定番イベントを行うという

発言はありますが、それらは予想外にブツ切りになって

一切語られなかったり、結果が写真で伝えられるのみです。

映像技術には詳しくないですが、

おそらくはかなりイレギュラーな手順をとってまで

とことん二人は「鳥籠」の中の存在として描写されます。

 

監督の山田尚子は過去作品においても

学校および、それにまつわる固定された人間関係

との脱却について描いてきました。

「映画・けいおん!」「たまこラブストーリー」などで顕著だと思います。

 

老害オタクな人によっては、おそらくは

うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー

少女革命ウテナ

といった「閉鎖モラトリアム世界」からの脱却を描いた作品に

近いところがあるな、と感じられることでしょう。

僕はすごくうる星BDを思い出しました。

 

徹底した屋内の閉塞した情景だけを描き続けることで、*2

ラストの互いの立ち位置と将来を見据えた上での下校シーンでの解放感が

感慨深いものになる面白い表現だと思いました。

特別どこか別世界に連れていかれていたわけではないのに、

やっと元の世界に戻ってこれたような…そんな気分でした。

 

■ふたりの立ち位置の変化

冒頭からタイトルが出るまでのシークエンスは

恐らくハイライトの演奏シーン、理科室でのハグと並んで

鑑賞者の記憶に強く残るシーンとなるでしょう。

 

親友(ほんとぉ?)の登校を待ち続けるみぞれ。

通称「山田足」と呼ばれる「足の動き」を執拗に捉える

レイアウトが狂気じみています。

希美がやってくると、二人は部活の朝練に向かうべく

校内に入っていきます。

 

ここからの描写が非常に素晴らしいと思っていまして、

「ふたりの違うところ」

「ふたりの一緒なところ」

を執拗に交互に描いていきます。

 

ロッカーの開け方、上靴の下ろし方。

一人は朗らかに、堂々と。

一人は静かに、しずしずと。

 

曲がり角を越える際に一人がふいに触った角を、

もう一人は「ねっとり」「じっくり」触りながらゆっくり追いかける。

 

一人がさっと水タンクから水を飲むと、

さりげなく同じように水を飲んでいく。

 

歩き方も一人は快活に、

もう一人は内気に。

 

校舎に入ってからは本当に全くセリフがありませんが、

二人がどんな人間か、そして二人がどういう関係かがヒシヒシと伝わってきます。

 

先に進んでいく希美を、みぞれはずっと見上げながら階段を上ります。

希美は先行し、上からみぞれを見おろす。

みぞれは後ろから追い、下から希美を見上げる。

それがお互いに当然であるかのように。

 

しかし、物語の佳境を越え、

互いの感情を不器用に伝え合った後には、

二人は逆の立場で学校外の階段を下っていきます。

 

希美は歩みを止めて、みぞれを見上げます。

みぞれは階段の上からまっすぐに希美を見つめます。

それぞれが視点と高さを逆にして。

冒頭や、劇中にあった無垢さと曇りは二人から消えています。

真摯に、お互いの心を見つめるように、少ない言葉を交わして、

二人はそれぞれの未来に向かって下校していきます。

「ハッピー・アイスクリーム!」のあとの

みぞれの笑顔、あそこで何人が救われたでしょう。

 

■感情移入の絶妙なスライド

冒頭から最後まで、鎧塚みぞれの描写は、とにかく儚く、可憐です。

個人的な感想としては、おそらくキャラデザ担当の

西屋太志による美少女キャラクターとして最高峰ではないでしょうか。

 

前述のように、前半ではみぞれの儚さがこれでもかと

庇護欲をそそるようにスクリーン全体に突き付けられます。

「みぞれってば本当にかわいいなぁ」と思っていると、

中盤、進路関係で希美との関係に変化が訪れるようになってからは、

急に「傘木希美という人間のナマの感情」が

透明感のある絵柄で覆い隠せないほどに生々しく飛び出してきます。

 

恐らく、誰もがある程度の年齢になったときに必ず通る

「きっと何にもなれない自分」*3という瞬間が、

あの手この手で、何度も何度も、目の前に繰り広げられてきます。

 

友人だけが受け取った大学のパンフレットを。

廊下で講師に声を掛けた時の気のない返事を。

類まれな才能への嫉妬から友人を遠ざけてしまうことを。

鳥籠の外から聴こえる通じ合っている者同士の本気の演奏を。

気が付いたら違う人間関係で新しい世界に溶け込んでいる友人を。

回りが見えなくなっていることに慰めの言葉をかけられることを。

遥かな高みに飛び立とうとする青い鳥の奏でる音を。

オーボエ以外の音が聴こえなくなり視界が歪む瞬間を。

「圧倒されて集中できなくなっちゃいました~」

とか云う血も涙もない追い打ちを。*4

見せつけられます。

突き付けられます。

もういい。

やめてくれ。

勘弁してくれ。

 

スクリーンに向かって儚げな美少女たちの応援をしていたら、

「凡人である自分に気づく瞬間」の追体験をさせられていた…

気が付いたら傘木希美とか云う「よくできた凡人」に感情移入している。

そこにこの作品の一番の「毒」「呪い」が込められていると思いました。

 

終盤には、長廻しのカットで空を自由に舞う二羽の鳥を映しています。

どっちが「鳥」で、どっちが「リズ」だったんでしょうか。

そんなことは、もしかしたらどうでもいいことなのかもしれません。

あの「二羽の鳥」のように、二人は自らの道を選ぶことができたんですから。

 

 

■音響と環境音の妙手

こちらのインタビュー記事を見ましたが、

驚くことに、本作は「モノローグ」が無い作品なんですね。

むしろ「ユーフォ」はモノローグの多い作品の印象があったので、

これはかなり意外でした。

二人だけを主題にしたお話にした分、尺にも余裕があったんで

「絵で見せる芝居」にこだわれたんですかね。

 

映画イントロから、靴音に合わせてアナログだけれど

巧妙にエレクトロニクスされた背景音が流れてきて、

一気に最初からスクリーンに引き込まれます。

モデルになった高校に実際に環境音サンプリングをしに行って

音楽制作をしたそうですが、

劇中の透明感のある雰囲気に良く合っていると思いました。

 

オーボエパートの後輩、剣崎梨々花が出てくるところだけ、

環境音のような劇判から「ほっこり系」のアニメ感あるBGMが

流れてくれるのが安心感を際立ててくれます。

他のシーンでは常に緊張感が溢れているので、安心と共に

剣崎梨々花という人物(&ファゴットパート)の印象付けに一役買っています。

 

劇中通して、梨々花ちゃん達は本当に救いでした。*5

ダブルリードパート、ほんとにかわいい…かわいくない?

ファゴット二人がのぞみにフラれて「あちゃー」ってなってるところ…

 

オーボエ二重奏の練習曲のところも本当に良かったですね。

その後のイマイチ合わない窮屈な合奏シーンとの対比がきつくてきつくて…

 

■ここすきポイント羅列

西屋デザインで優子パイセンの美少女度がマジで大幅アップしてた。

やっぱリボンもうすこし小さいほうがいいよね・・・

髪も短めに切ってて超カワイイ!

 

久石奏は1カットだけ映ってた。

向こう向いてて顔や表情は判らず。ざんねん。

あの感じだとガヤでもたぶん喋ってないので、

CVは続編までお預けかな~ 悠木さんだと面白そうだと思っているのだけど。

 

優子はみぞれに甘く、夏紀は希美に甘い。

「希美が、受けるから」のあとのシャーペン「コツン」だけで

みぞれの依存心への心配と希美の無神経さにマジギレしているのが伝わってくる。

あのピアノを弾いてるシークエンスの緊張感のヤバさといったら…!

あのシーンだけでも鑑賞代モト取れたわ!ってなりましたね。

 

夏紀が自分に甘いのをわかっていて夏紀にだけみぞれとのことを相談する希美。

傘木、お前ホントそういうとこやぞ。

夏紀は昔から希美に憧れてたんで、キツく言ったりできないんだよなぁ。

 

塚本、瀧川、滝野…お前ら絶対みんなに

三馬鹿トリオとかボンクラーズとか言われてるぞ。

 

井上順奈ちゃん映ってるか捜せなかったわ…ショック。

最新短編集でけっこう出番あったから、またたくさん出てきてほしい…

大野さんは今年はハープなんやね。ホント便利キャラやな~

 

ハープ、コントラファゴット、ウインドマシーンと

ずいぶん贅沢な特殊楽器が沢山出てきている。

滝&橋本センセあたりのコネでレンタルしたのかなぁ。

 

あの音楽準備室?みたいなスペース、

毎年部内の上役の悪だくみスポットみたいになってんな

 

例のモブ二人(悪意ある表現)が外で演奏するシーン、

あれ絶対「やってみよう」って言ったの高坂麗奈だよな…

あの戦闘民族め…!

 

覚醒シーンの演奏のところで、

トランペットの渾身のファンファーレが最高って話はもっとやれ

みぞれの本気を信じてffでの音作りを練習し続け、

不意に訪れた覚醒で憶することなくドンピシャで入って来るだと…!

吉川&高坂(&一年小日向)のキズナちからを感じる…!

 

鑑賞者が「理科室のビーカーかシャーレか壁になりたい」と

狂ったことをのたまう終盤の理科室のシーン。

「聞いて」の一言でピントが二人にバシッと戻って来るのに感動。

みぞれの数々の「愛の告白」*6に対して、

「みぞれのオーボエが好き」としか言わない希美

傘木ィ"!!!

まぁ冷静になって考える&インタビュとかを拾ってみて

「嘘でもいいから"希美のフルートが好き"と言ってよ」

「あなたのオーボエが好き。だからもっと羽ばたいて」

という意味でのひとことなのかな、って思うと

凡人代表の希美としては精一杯のはなむけの言葉なのかなって、

そう考えて少しでもみぞれが報われてると信じたくなりました。

 

きっと二人は、進む道は違ってしまうけど本当の意味で

初めて「親友」になれたんだと思います。

OPの登校ではほぼ無言、ED前の下校では会話がたくさん。

二人の空への旅立ちに祝福あれ、ですね。

 

■評価まとめ

osyamannbe.hateblo.jp

こちらのエントリで僕は一度色々と死んでいるので

いまさら言うまでもないですが、

僕自身は本当に心から好きな作品で、

心の中に大切にしたい作品だな、と改めて思いました。

原作を読んでいた身としても、

「ここまで原作の生々しい感情を映像化できるのか…」

と感動することしきりです。

素晴らしい作品を、本当にありがとうございました。

 

「実写を超えた!」「アニメとか実写とかじゃない! これは"映画"だ!」

とか言ってる人もいるみたいですが、アニメですし、絵ですよ。

まぁそういうのは純粋ビョーキまっすぐ君だけでやってください。

 

 

ただ…まぁ売れる作品ではないんだろうなぁ。

はてな村でも評価散々っぽいし。

あっさりランク外までいっちゃったし…駄目みたいですね(諦観)

キンプリ公開時のプリズムヤクザの気持ちが痛いほど判りました。

 

「俺はユーフォヤクザでいく」

レディ, プレイヤー1も観ました。良かったです。 

 

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サントラをiTunesで買ったので、

吹奏楽曲「リズと青い鳥」の構造からくる

物語のとあるシーン(&とある戦闘民族女)の考察を思いつきました。

気が向いたらまた書きます。

*1:希美がベンチから街並みを見つめるカットがありますが、ここは北宇治高校(=モデルになった高校)の敷地内にあるベンチからの風景だと推測されています

*2:劇中、多分ですがすべての時計の針やカレンダーは詳細を出していません。日時も取っ払って現実感を喪失させています

*3:輪るピングドラムで何度憑き物落としをしても逃れられない呪いの感情

*4:黄前久美子はやっぱり黄前久美子だった。たった二つのセリフしかないのに失言する女。

*5:「鎧…じゃなくて剣崎です」は本人の持ちネタにして度々使っているんじゃないか説を提唱したい

*6:ユーフォ一期8話的な意味で